健康保険で受けられる診療と受けられない診療

健康保険で受けられる診療

保険医療機関に指定されている病院、診療所で保険証を提出し、一部負担金を支払えば以下にある診察、治療、薬の支給等が受けられます。

診察・検査

身体に異常があれば、いつでも健康保険で医師の診察・往診が受けられます。診察に必要な検査も同じく受けられます。

※業務上や通勤途上の病気・ケガは『労働者災害補償保険(労災保険)』が優先します。すみやかに事業主(会社)に届け出てください。

薬・注射

治療に必要な薬は支給されます。ただし、厚生労働省が定める『薬価基準』に載っている薬に限られます。

治療材料 等

治療に用いる治療材料はすべて支給されます。義手、義足、松葉杖、補聴器等は治療に必要な期間だけ貸してもらえます(費用負担あり)。

処置・手術 等

認められた注射等いろいろな処置、手術はもちろん、放射線治療や精神療法、療養指導等も受けられます。ただし、現在研究中のものや医学会で認められていない特殊な治療に健康保険は使えません。

入院・看護

医師が必要と認めれば、健康保険を使って入院できます。入院中は1食につき260円を食事療養費として自己負担します。看護料は入院費に含められているので特に付添いを付ける必要はありません。病室は通常、一般室です。個室等の特別室に入る場合には、健康保険を使って利用できる一般室との差額を自己負担します。

1食あたりの負担額
一般 460円
市町村民税
非課税世帯
低所得者II※1 210円
(91日目以降160円)
低所得者I※2 100円

※1:低所得者IIとは、低所得者Iに該当しない市区町村民税非課税である被保険者とその被扶養者

※2:低所得者Iとは、被保険者および被扶養者すべてが、収入から必要経費・控除額を引いた後の所得がない場合の被保険者とその被扶養者(収入が年金のみで単独世帯の場合、約80万円以下)

健康保険で受けられない診療

健康保険が適用されないのは、差額ベッド代、予約診療・紹介状なしでの200床以上の病院への初診・再診料等です。
健康保険が使えない場合は、かかった費用を全額自己負担しなければなりません。

二重瞼等の美容を目的とする整形手術

目を二重にしたい、脂肪吸引したいといった美容整形手術には健康保険は適用されません。また、歯並びの矯正、近視の手術も対象外です。

例外

労務に支障をきたす場合。生まれつきの斜視・みつくち、ケガによる処置のための整形手術等。また、他人に著しい不快感を与えるワキガ等

人工妊娠・中絶手術

経済的な理由による妊娠中絶は健康保険が適用されません。

例外

母体を保護する必要がある場合には適用されます。

正常な妊娠・分娩

定期検診・出産のための入院は健康保険の適用外です。

例外

妊娠中毒・重いつわり・貧血・子宮外妊娠・帝王切開・異常分娩等の場合には、治療費が健康保険の対象になります。

健康診断・人間ドック

一般的には保険は適用されません。

例外

検査後の再検査や精密検査が必要になった場合には、検査費用に健康保険が適用されます。

予防注射

基本的に自己負担になります。

例外

ハシカ・百日ゼキ・破傷風・狂犬病の場合に限り、感染の危険がある場合には健康保険が適用されます。

シミ・アザ等の先天的な皮膚の病気

例外

治療が可能で、治療を必要とする症状がある場合には保険が適用されます。

単なる疲労

例外

疲労が続き、病気と疑われる場合

業務上、通勤途上のケガ・病気

「業務上(仕事中)」、または「通勤途上」の事故、ケガや病気については「労働者災害補償保険(労災保険)」の適用を受けることになり、健康保険による診療は受けられません。
このようなときは、すぐに所属先の事業所の労災担当者への連絡と、病院にかかる際に「労災」の旨を告げることを忘れないでください。

労災の例
  • 通勤の際、駅の階段で足を踏み外して骨折した
  • 社内でキャビネットに指を挟んだ
  • 社内の荷物を運んでいるときに誤って足の上に落とした

※「通勤途上」とは、いつもの通勤経路を指すので、著しい寄り道をした場合は労災とは認められません。

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